そしてあっという間に、終業式の日。


弓美から嬉しい報告があった!


「3ヶ月ぶりに彼氏ができましたー☆いえーい」

「えっほんと!? 前に言ってた大学生!!?」

「そーなのー! 昨日プリ撮ったんだー」


弓美ってば嬉しそうに見せびらかしちゃって。

黒いシンプルなケータイの待受が、チカチカしたプリ画になっていて。


「かっこいい! 大人だー!」

一緒に報告を聞いたひとちゃんもテンション上がっちゃってる。


『園部さん』から『ひとちゃん』に変えて、前より仲良くなれた気がするんだ。


わたしも画面をのぞき込むと、制服姿の弓美と、茶髪に黒縁メガネのオシャレな男の人が一緒にピースしてた。


「ナオアキ、さん、ってゆーの?」

「そ、直昭。あ、バイト先の先輩でね、直くんて呼んでるんだ〜」

「ひゅーっ! いいなーぁ!」


そのまま3人で盛り上がってたら、担任の先生に睨まれちゃった。

「お前らー今は掃除の時間だっつの! 和久井と園部はわかるが笠原まで騒いでんじゃないよー」

「うわ、先生それ差別!」

弓美が言い逃げしたからわたしとひとちゃんも慌てて続く。


途中で弓美にぐいっと手を引っ張られた。

「次は弥白の番だからねっ」