「神林くん……お、おつかれさま!」


なんて偶然。


「おつかれ。あれ、それ、もしかして」

神林くんが弓美の手にある写真立てを指差した。

「あっそうなの、今日が弓美の誕生日なんだよ」


そうだった。

神林くんとの秘密のひとつだった。


「へーおめでとう。七夕が誕生日なんだ」

「そうそう、さんきゅー。ってなんでコレのこと知ってんの」

「たまたま、な。作ってるとこに居合わせたんだよな」

わたしはコクンとうなずく。


「えー何お2人さんいつの間に仲いいのよー? あやしーい」

弓美がからかってくると、

「ばっか、そんなんじゃないしっ」

神林くんがちょっとだけ焦った。


あ、その顔、かわいい。

またひとつ、違う顔を見れた。