「何々!?」

弓美もわたしもびっくりして振り返る。

「やべーっこいつタバスコ入りコーラ飲んだ!」

ええっ?


男子何やってんのー、と女の子たちが笑う。

「あーもうお前らバカだろー!?」

あ、神林くん。

呆れながらも楽しそう。

「ちょ、おまっ吹くなよ! だーっちゃんと拭けよー?」


みんながわいわい騒いでるはずなのに、やっぱり神林くんの声ばっかり聞こえる。


そういえば、おつかれって、まだ言ってないな。

……話したいな。


そのあと何回か神林くんの座っているほうを見たけど、移動する気配はないし、周りが男の子ばっかりでこっちから行くのも気が引ける。

っていうか、奥の席に座っちゃったから出れない。

そうこうしてるうちにお店から出ちゃって。

またチャンスをうかがったけど、今度はほかの女の子と喋ってるなぁ。


「弥白、そろそろ帰ろー今日はがんばったからつかれたわー」

「あ、弓美。そだね」


まあ、いっか。

明日も授業あるし。