「俺最初めっちゃキレーな子いるじゃんって思ったのにさあ! まじこいつ喋ったら全然かわいくねーの!」
「悪かったねー! あたしだってあんたみたいな心の狭い男願い下げ!」
「そーだそーだ」
弓美も楽しそう。
みんなの話を脇で聞いてたら、向かいにいつの間にかさっきと違う人が座ってた。
「あ、園部さん」
「笠原ちゃんおつかれー! ずっと言おうと思ってたんだけどさあ、園部さんじゃなくて瞳でいいよ。めんどくさいでしょ? あっそれか、部活のみんなはひとちゃんて呼ぶ」
「ひとちゃん? かわいい、そやって呼んでもいい?」
わ、嬉しい。
「もちろん」
明るくてテキパキしてて、いいなぁ。
そのひとちゃんが、ジュースを飲みながらチラっと向こうのテーブルを見た。
小野くん、のほう、だ。
うわぁ、ほんとに好きなのかな。
小野くんを見てるひとちゃんを見てるわたし。
なんかへんなの……と思ってると、後ろの席がどっとわいた。