どう反応すればいいのかわからなくて困ってると、それを悟ったように神林くんが助け船を出してくれた。
「でー、これどうすんの? これで決定?」
その手にひらひらさせているのは、全員リレーの順番表。
「そうだったー。けっこういい感じになったと思うんだけどね~」
もうほとんど決め終わってたみたい。
「笠原さん、どう思う? ちょっと見てよ」
小野くんがわたしの目の前に順番表を差し出す。
「えっ、わたし?」
「うんうん、意見は多い方がいいからね」
園部さんまで促してくる。
「でっでもわたし……走るの遅いしよくわかんない、よ?」
そう言いながら、一応手についた油をふきとって紙を受け取ってみたけど……。
「それはそれで別視点の意見になるからさ」
神林くんにも促されて、仕方なく一通り目を通す。
よくわからないなりに、一応、考えてみる。
重要なところには、クラスの男子の中でも飛び抜けて運動ができる人が入っていた。
あとはけっこう、男女交互?
「特に、問題はないと思うけど……う~ん、プレッシャーに弱そうな人は前半にもってって、割と平気そうな人を後半にするとか……」
「おお、新しい! けどそれ、わかるか?」
わたしの何気ない一言に神林くんが反応してくれて、一気に意見の出しあいになった。