「ほんとに笠原じゃん」
「だから言ったじゃん。わたし、目はいいんだからねっ」
どうやら、園部さんがこの席からレジに並んでいるわたしに気が付いて、呼びに来てくれたらしい。
いちばん奥側に神林くん、その隣に小野くん、神林くんの向かいに園部さんが座ったので、必然的に小野くんの向かいに座ることになった。
「近くに住んでんの?」
神林くんは、いかにも部活帰りという出で立ちだった。
「う、うん……みんなこそ、なんでここに」
たしかに学校からは4駅しか離れていないところなんだけれど。
「あ、俺と園部も最寄がここなんだ。あっちの方の、水沢中だった」
小野くんが指で、通っていた中学のあるらしい方向を指す。
「……へぇ!」
初耳だったけれど、納得。
今度から近所を出歩くときも、あんまり変な格好しないようにしよう……。
「で、もともと今日は園部と二人で話し合うつもりだったんだけど、部活終わってちょうどコイツに会ってさ。けっこう意見言ってもらってたし、ここはひとつ最後まで手伝ってもらおうと思って」
小野くんがそう説明すると、神林くんもうなずいた。
「そーゆうわけ。俺もここ定期圏内だし」
「そうなんだ?」
「ん。次で乗り換えて、もう二駅いったとこ」
意外とみんな近くに住んでるんだ……知らなかったなぁ。