七時になって、まだ外の明るいことにびっくりしながら駅前に向かった。

女子高生がひとりで入れるお店って、限られてるなぁ。

自分で作ってもよかったけど、なんとなくざわざわした人のいる所で食べたかったからお店を探した。


結局、どの駅にでもあるファーストフード店のレジに並ぶ。


注文が終わって横にずれると、

「笠原さん!」

と、後ろから女の子に声を掛けられた。


振り返るとすぐ近くに、見知った女の子が立っている。


「やっぱり、笠原さんだった」

あの、体育祭実行委員でバドミントン部の女の子が嬉しそうに言ってきた。


「園部さん」


わたしがびっくりしていると、園部さんは黒目がちな瞳を向けてきいてくる。

「ひとり?」

「うん、そう」

園部さんはきれいな細かい柄のプリントTシャツにベスト、ひらひらのミニスカート、キラキラしたサンダルという可愛い格好で。

たぶん天然でくるくるしたボブの髪には、星のピンもついてる。


対してわたしは、近所だし知り合いに会うなんて思ってなかったから、すごく適当な格好に財布だけ持って出てきてた。


とっ……隣に並びたくない状況……。

でも、園部さんはどんどん話しかけてくる。


「今、わたしたち全員リレーの順番決めてて、小野と神林くんもいるんだよ。笠原さんもよかったらおいでよ」