コンテストを兼ねた展示会は1週間、市民ホール施設にくっついた、展示スペースで開かれている。

一応、学校帰りに寄れる場所だったから行ってみた。

市内の中高から作品が集められてるからけっこうな作品数で。

そのせいか人が多かったからゆっくりは見られなかった。


まあ、いっか。

次は、何を描こうかな。


どっちかというと、それを考える方が楽しい。

絵の評価なんて難しくてわかんないもん。

他の人の作品を見て、綺麗だな、すごいな、って思っても。

わたしはわたしの描きたいと思うものを描くだけだし。


ベッドに寝っころがって妄想していると、ドアの向こうから規則的な足音がした。


反射的にバッと立ち上がって椅子に座る。


「弥白」

ココンと軽いノックをしてお母さんが顔をのぞかせた。