「今日も部活?」

「おー。ちなみに冬休みもけっこう部活あるんだよね」


4限が終わると、槙十はすぐに大きなカバンを持って立ち上がった。


言うなら、今、かなぁ。


「あのさ」

わたしが口を開きかけると、槇十が言葉をかぶせてきた。

「あ、今日の夜、電話してもいー?」

「えっ、うん」

「実は、その……24も25も部活が……」

「あ、ああ、そうなんだ」

「しかも25はみんなでパーティーとか言って強制で! だから、悪いんだけど……26! なら、どう、かな? とかまぁ、あとで詳しく」


わたしも槙十もチラチラと向けられるクラスメイトからの視線に気付き、慌てて話をやめた。


高校生にもなればみんな、からかってくるほど子供でもないけど……でも、気になる顔をしてる。


まだ付き合って一週間半くらいだし、わざわざ報告するのも変だから、周りのみんなはなんとなく察してなんとなくこっちを窺ってくる状態で。


「じゃあ、あとで」

「うん、部活がんばって」


教室を出ていく槇十に軽く手を振っていると、後ろから誰かにバッと抱きつかれた。

いや、こんなことする人ひとりしかいないけど。


「うひゃぅっ!」

「いいじゃんいいじゃん、愛があれば日付けなんて関係ないのね~」

「ゆ、弓美ってばっもうっ」

「行こ、弥白はあんまり遅くなれないんでしょ?」