24日?


「なんで」


いや~な予感……。


「この前お会いした大谷さん、覚えてるでしょう」

「うん……」


わたしが描いた絵に興味を持ってくれた、カリスマクリエイターの大谷文哉さん。

見た目だと年齢不詳な男の人。


「え、待って、またパーティーとか」

「そうそう。出てちょうだい。実はね……ちょっとあんたにとってもいい話があるのよ」


「はい? いい話?」


「詳しくはまだ言えないんだけど。だから、大谷さんから直接聞いてちょうだい」


はいぃ~?


「わたし、24日も次の日もまだ学校あるよ」

「午前で終わりでしょ」


ああもう。

ダメだ。

無理だ。


「ごちそうさま」

空いたお皿をシンクに移して水につける。

そのまま部屋を出る直前、言ってみた。


「少し、考えさせて」