食卓には、冷凍食品がメインだけど、見た目に普通の夕食が並んでいた。

ちょっと珍しいことかも……。


「今回のテストはまあまあっだったわね」

「うん」


全部平均よりそれなりに上の点数で、まあまあとしか言ってくれないのが、お母さんだ。


ほんとは、全部90点以上を取れって言いたいんだろうな。


「期末は、90点を目指しなさい。目指せば届かなくても今より上がるから」

「……うん」


予想が的中しすぎて、笑いたいくらい。


「そういえば、今週中でしょ、進路希望調査」

「もう出したよ。渡良世か憲相か国立でいいんでしょ? 学部は法学部」

渡良世も憲相も、日本のトップの私立大。


大学入試でトップ校を目指すことは、今の高校に入るための条件だったから。

受験校はあらかじめ決められているようなものだった。



「そうね。特別これという学部がなくて、文系ならやっぱり法学ね。法律を勉強しておいて損になることはないし、大企業に入るにもそうでなくても、大学名はまだまだ日本では有効よ」


なんだか、口の中のご飯の味がなくなってもそもそして、げんなりする。

正直、お母さんが半ば強制的に決めてくるから、本当にそうなのかわかってない、わたし。

お母さんは、隙あらばこういう話をしたがる。



もっと、ちゃんと、自分でも考えないとなぁ。

そんなことを考えていると急に違う話題をふられた。


「弥白、24日は空けときなさい」