でも、ふいにぱったり朝こなくなっちゃったんだよね。

たぶん、描いてた絵が完成したんだろうなとは思ったけど……。


席替えまであって、教室でも話す機会がなくなって。


そんときは、ちょっと残念だなーくらいには思った。

だって、せっかく普通に喋ってくれるようになってきてたのに。


そう思ってたら、美術の授業で話す機会があって。



「ん、もしかしてそれ、笠原が描いたやつ?」

「あっ、うん、そうそう。週末に、会場に搬入してもらう予定で……」


ここ最近描いてたんであろう絵を、見せてもらった。


海と空の境目がにじむ、目にまぶしいような、でかくて真っ青な絵。


ああ、それでこないだ髪の毛に青い絵の具がついてたんだな。

思い出してちょっと面白くなる。


普段の笠原はおとなしいのに、笠原が描いた絵はなんだか迫力みたいなものを持って目の前に広がってる。


「きれーな青だな」


って俺、まじ文才ないから感想がひどいわ。