だって弥白、知り合って一ヶ月たっても全然打ち解けてくれなかったし。



挨拶すれば返ってくるし、授業中寝てた時とか、今どこやってるかきけば答えてくれるんだけど、必要最低限、って感じだな。


でも、意外なことに和久井とは仲が良いらしい。

休み時間なんか楽しそうに2人で喋ってる。


和久井は女子の中でも目立つほうで、ノリがいいからすぐ喋れるようになったんだけどな~。


もしかして俺、怖がられてる?

たしかにでかいから怖いのかもしんないけど……うわー、なんかショックだー。


「あっ、弥白ってばまた、髪の毛に青いの、ついてる」

特別話すのは和久井だけ。

部活は、美術部らしい。

ほんで、恐ろしく勉強ができる。

いつも授業中姿勢がいい。


あとは謎。



変わったのは、あの時だったかな。

朝練で体育館に一番乗りした日、弥白も絵を描くために早く来てたんだ。



ちらっと見える制服……。

「笠原?」

思わず、声を掛けてた。



それより前も朝練は欠かさず行ってたけど、なんとなく、その朝の時間だけはちゃんと喋れてる気がして。

今思えば、そのもの珍しさにつられて、朝練一番乗りをキープするようになってた。