「後ろのやつからまわせ~枚数数えるからちょっと待っとけよ!」
最後のテストは日本史だった。
もちろん、テストが終わった瞬間に1/3くらいは忘れる。
解散の声がかかった瞬間一斉に声が飛び交い、多くの人は部活に向かっていく。
「弥白~今日どっか寄ってかな~い? って、あらぁ、お邪魔だったかしら?」
「弓美っ」
美術館に行く予定を立てようと話し始めたところに、弓美が割って入る。
「え、何々、お2人さん進展したの?」
「はい邪魔邪魔ー俺すぐ部活行かなきゃだから、ちょっと先に弥白貸して」
「はいはい」
弓美は怪しい笑顔を浮かべて後でメールするから、と言ってどこかへ行った。
「来週から短縮授業だから、平日のほうがいい?」
「そうだね」
「ん。そしたら火曜は美術館が休みで、俺は今、放課後は火水金が正規練でできれば休みたくないから……」
「じゃあ、16の木曜はどう?」
「俺は大丈夫だよ」
「じゃあ決まりっ」
「午前の授業終わったらそのまま向かって、駅とかで昼食べて行こう。制服でいーよな?」
「うん」
わぁい!
ほんとに、デートみたい。