『まあ、ね……美術館だと、男友達も誘いにくいしなー』


あれ?

ちょっと待ってちょっと待って。

これは、もしかして、もしかすると、一緒に行く? って言うとこじゃないの私!?

「あっ……」


『ん? どした?』


ええと、ええと、落ち着けわたしー!


「いっ……しょに、行ってもいいなら、行くけど」


うわぁ間違えた!

何わたし偉そうな感じで言ってんの!


『え、まじ? 行ってくれる?』


わたしの心中パニックなんておかまいなしに、返ってきたのは嬉しそうな答えだった。


「ほんとに? いいの? えっ、槙十がいいなら、行こうよ」

えっほんとのほんとに?


『行く行く! じゃあいろいろ調べてみるわ!』

「あっ……と、お母さんの帰りの遅そうな日に……」

『オッケー、日程はまた今度決めようぜ。とりあえず、テスト終わってからだな』

「うん! あ、じゃあ、そろそろ切るね。また明日学校で」

『おー。デート楽しみに、勉強がんばろーぜ』