びっくりした、わたしの中にそんな積極的な気持ちが生まれるなんて。

誰かに、自分から好きだって言おう、なんて思える日が、来るとは思ってなかった。


「えらいっ弥白、やっと言う気になったかぁー! ってか片思い期間、長すぎっ」

「うん、ちょっともう、好きすぎて……?」

「でも、神林くんと弥白、最近いい感じだよね?」

「そうかな?」

「だよーーー!」


今日は弓美とひとちゃんにアドバイスをもらうべく、昼休みの相談会。


「席替えで隣になったしねー!」

「あれはびっくりした」


つい最近、今年度2回目の席替えをした。


槙十は、窓際のいちばん前。

わたしの席は、廊下側の真ん中くらい……だったんだけど。


「交換してもらったんだもんね」


そう、槙十の隣の席に当たった子がいちばん前イヤだな~と言っているのを聞いて、わたしちょっと目が悪いから代わってくれる? って、きいてみたんだ。

もちろん、目が悪いなんて嘘なんだけど。


「えへ、いつも優等生してるから、それくらいしても許されるかな~って」

「なんか、弥白らしくない大胆発言! やっぱり恋すると女の子は変わるよねーっ」


わたしも、自分にそんな行動力があったなんて、自分でびっくりしてる。

恋って、すごいね。


弓美は彼氏の直昭さんとはうまくいってるらしく、日々ノロケを挟んでくる。


「次は弥白の番だもんねっ」

ひとちゃんも、小野くんとはうまくいってるみたい。

テスト一週間前に入った昨日、さっそく一緒に帰る2人を見かけた。


わたしも、2人みたいに、素敵な恋ができるかな?

槇十は、わたしのことどう思ってるんだろ?