「ぜひまた来てちょうだいね」

「本当に、ありがとうございました! ごちそうさまでした」


「次はぜひ舞乃もいるときに」

「お姉ちゃん今日の話したら絶対悔しがるよー!!」

「会ったら会ったで槙十にはもったいない!! とか言いそうだけどな」

「だから彼女じゃないって言ってるだろ! 笠原に失礼だっての!」


見送りまでにぎやかな神林家を、わたしはすっかり気に入ってしまった。


お姉さんの舞乃(まいの)さんはまだ帰って来ず、会うことができなかったけど……これにもう一人増えたらいったいどれだけにぎやかな家になるんだろう?


「あ~帰りたくないなー」

「また来いよ」


すっかり日も暮れて身に染みるような夜の風が吹く。

星がいくつもいくつもすっきり綺麗に輝いていて、もう冬が近いことがわかる。



「ほんとにいいんですか? まだ電車もたくさんあるし……」

「いーのいーの、車のほうが早いだろ?」


そしてなんと、お兄さんが車で家まで送ってくれることになった。


「甘えとけって。乗り換えもあるしめんどいじゃん?」


神林くんもついてきてくれることになり、お兄さんが運転席に座ってから、後部座席に2人で乗り込む。