「あ、なんか中は普通のお家だね」


1階はお店部分と別に、2つくらい部屋があるみたい。

フローリングの廊下に、赤みのあるライトが暖かい。


「外見とギャップあるだろ? うち、だいぶ昔にだけど、もとは2軒だった家をつなげるリフォームしてるから」

「そっか、そうだよね、7人家族だもんね」

「昔はじいちゃんとばあちゃんが住んでたんだけど、じいちゃんが入院した時に母さんがお店手伝うって言いだしたから、じゃあもう引っ越しちゃえ! みたいな。たまたま隣が空いててさ。じゃあいっそのこと二世帯住宅だ! っていう」

「へぇ~」


リビングは2階らしく、階段を登ると、明るい広い部屋に入った。


「適当に座って。うちキッチンが店と共用だから、そのうち母さんかばあちゃんが上がって」


「あらーいらっしゃい!」

「ね?」


「あっ、お邪魔してますっ神林くんと同じクラスの、笠原弥白と申します!」


上がってきてくれたのはお母さんだった。


「ご丁寧にどうもぉ。槙十がお世話になってます。もう夕飯出来てるから、今運んでくるからちょっと待っててね。槙十手伝って。彩佳~彩佳も手伝って~」


うわ、笑った感じが槙十くんそっくり!


「あのっ、わたしも手伝わせてくださいっ」

「あら、そぅお? じゃあお願いしちゃおっかな」