◇灯----------ともしび



「えっほんとにいいの? ってか悪いよ、なんか!」

「だいじょぶだいじょぶーメールしたらオッケーって返ってきたし、それにほら、もう着いちゃったし」

「へ」


なんでかわからないけど会話の流れで神林家におじゃますることになってしまった。


緊張MAX!!!!!!!!


「お、お店、なの?」


半ば強引に連れてこられた、わたしの最寄から一駅先にいき、乗り換えて更に二駅いったところが神林くんの地元で、駅の規模にしては降りる人が多い、広い住宅街だった。

駅前の、懐かしい感じのする商店街の一角。


商店街にふさわしいお惣菜屋さん、が、神林くんの家だった。


「そ。今はばぁちゃんが仕切ってて、母さんが修行中。近所のおばさまパート雇ってまわしてる。父さんは普通の会社員だよ。あ、うち大家族だから、引かないで」

「大家族?」

「うん。ばあちゃん、父さん母さん、それに兄、姉、俺、妹、の順番」

「わぁ!」

「だから一人くらい増えてもわかんないわかんない」

「いやいや」


一応お店からも入れるらしいけど、お客さんがいたから裏側に回る。


うわぁ、神林家が大家族とか……意外だけど、でも、なんかすごいわかる。


「ただいまー」

「お、おじゃましまーす……」