「えっあ、そうだよねごめんね、いたずらが過ぎました……イヤだった?」

「そ、そうじゃなくて……イヤ、じゃないんだけど……」


もう夕日は沈んだのに、神林くんの顔が心なしか赤い。

もしかして、神林くん、照れてる?


それがわかった瞬間、たぶん、わたしの顔も一気に真っ赤になった。


照れられると、照れる……!!!

っていうか、たしかに、わたし、何した!?

冷たい手で首触って驚かすとか、じーっと横顔見つめてるとか!

い、今さらだけど、えっ、ありえないよね!?

普通のわたしだったら絶対しないよね!?


「あっえっこっ、こここここれは! なななんとなくと、言うか!」


わー不審者!

わたし不審者!


「なんとなく、なの?」

「なんとなくっていうか、魔が差したっていう、か……」


ああもう自分で何言ってるかわかんなくなってきちゃったよー!


「ぷっ、笠原、真っ赤」


神林くんが急に手首を掴んで、近くに寄ってきた。

いやもうほんと限界です心臓がもちません!


「他のやつにもこーゆーことすんの?」


ふにっ。

ん? ふに?


「あにひてるのぉーかんはやふぃくん!」

「んなことすると勘違いする男もいるんだから、むやみにすんなー」

そう言いながら、神林くんがわたしの片頬をひっぱる。


いやいやいやこっちのほうがありえないです!