「いやぁ面白いお嬢さんだね」


しばらくそのまま話しているとお母さんが戻ってきた。


「そういっていただけるなんて光栄ですわぁ。ほんと、何考えてるかよくわからない変な子で」


でた。

お母さんのよくわからない子論法。

うぅん、やっぱり、わたしって変わってるんだろうなぁ。


とか思っても、大人同士の会話にはいろんな糸が絡まっていて真意はよくわかんないから、わたしは黙っておく。


「そんなことない、今どき稀な素直な子だ」


ぽん、と大谷さんの手がわたしの肩に乗る。


わたしは左斜めの大谷さんを見上げてみる。


「素直?」

お母さんはきょとんとした。


「うん、素直で未熟で、諸刃の剣だね。でもいいモノを持ってる。あ、そういう子が少なくなってるんだから、やっぱり変わってるのかな? まぁ、今日はわざわざありがとう」


パーティーの主役の大谷さんをこれ以上拘束もできないので、わたしたち親子はそのまま少し食事をとって早めに帰ることにした。


わたしは帰宅ラッシュを避けて遅い電車のに乗りたかったけど、お母さんは絶対そういうことはしないって知ってる。


いつも効率重視だからね。