最近は弓美と勉強することが多かったから、家にいると静寂が耳に付く。


誰もいない、広い家。


さっきまで弓美とひとちゃんと交わした、楽しい会話の残響。


秋は、急に、いつの間にか、やってきてて。

私の部屋からは、秋のうろこ雲が目に優しい、空が見える。


「ふふ、こんなの、普通だったのになぁ」


今年は、クラスに弓美がいて、行事にも積極的に参加して、クラスの人とも普通に喋って……。

人見知りの私には、こんな普通のことがすっごく嬉しい。


だからかもしれない。

ひとりになるとふと、さみしくなるのは。


絵を描いてるときとは別なんだ。

描いてる時間は特別。


そうじゃない、一人の時間……なんてたくさんありすぎて意識してなかったんだけど、気づくと気になるものだよね。


……神林くんは、わたしのことどう思ってるんだろう。


自分に隙があると、そんなことばっかり考える。