「だと思うよね!? でも、それだけだったんだよ、その日はそのまま帰って」
「小野のやつーいくじなしー!」
もうここがドーナツ屋さんだということも忘れて3人で盛り上がる。
「でもでも、わたしはずっと好きだったけど、わたしからたくさんアクション起こしてたわけじゃないから、信も不安、だったんだと思う。どうしたらいんだろうって考えてたって後から聞いた。友達期間が長すぎて……」
ひとちゃんはアイスカフェオレを一口飲んで続けた。
「だから、花火の後から、好きだよって気持ちが伝わるように、話し方とか、目線とかも気を付けて……わたしから好きって言う勇気はどうしてもでなかったんだけど。でも、その内に信も決心できたのか、文化祭の帰りにつきあってって言われたん、だ」
「きゃーーーーー!!!」
いいなぁいいなぁ!
両想いって、夢みたい!
そんな恋がしたいよ。
「ああもうっわたしの話は終わり! ね、せっかくだから弓美の話も聞かせてよ。大学生なんでしょ? どうやって知り合ったの?」
「わたしも聞きたい!」
こないだの文化祭では初対面から変なとこ見られちゃったけど、すごく優しくていい人そうだったなぁ。
「バイトだよ。あたし、今年の春休みから居酒屋でバイトしてんだけどね。土曜のシフトが被ってて仕事教えてもらって。ほとんどあたしの一目惚れ」
「ヒトメボレ!」
「ん、で、たくさん仕事教えてもらったりして、連絡先もあたしからきいて。アルバイトのランクみたいのがあるんだけどね、仕事がんばってそれが上がったらご褒美くださいって言ったりとか。そのうち根負けしてつきあってくれた」
「積極的ー!!!」
「あたし、好きだと思ったらだめなのよ。行動しないともやもやしちゃって」