翡翠はどんどん大きくなった。

ハイハイ歩きができるようになった頃、部屋中を動き回り、しょっちゅう痣を作っていた。

「翡翠、元気なのはいいけど痛いでしょー?」

「あう?」

「…かわいいなお前。」

麗子は翡翠の頭を撫でた。


翡翠は周りの子どもたちより活発だった。

歩けるようになったら勝手に外に出て行って、公園で遊んだり虫を捕まえてきたりした。

「翡翠!勝手に家を出ちゃダメでしょ!」

「お母さん、はい。」

「…え、」

「あげる。」

翡翠は花を握っていた。

「あげる。」

「…私に?」

「うん。」

「ありがとう!」

麗子は翡翠の頭を撫でた。