結婚してから一年後、麗子のお腹に赤ちゃんができた。

「男の子?女の子?」

「んー。聞いてない。生まれてからのお楽しみ。」

「そうか。名前はどうする?」

「翡翠がいい。」

「ひすい?」

「そう。美しいっていう意味。」

「男の子でも?」

「美しいってのは外見だけじゃないよ。心も美しくないと。」

「麗子みたいに?」

「そう、私みたいに。」

にひっと笑う2人。



そして生まれてきたのは女の子。

色の白い、綺麗な肌の女の子だった。

「翡翠、はじめまして。お父さんだよー。」

「なんかお猿さんみたいね。」

「生まれたてはみんなそうだろ。」