「いやあ、山村君面白かったよ。」

「植松さん!俺を嵌めたのか!」

「は?嵌めてないよ。あいつはヅラで間違いない。」

「でも外れなかったぞ?」

「最新式のヅラだありゃ。多分ね、あいつはツルッパゲっていうわけではなくて、てっぺんとかだけハゲてるタイプね。最近は取れにくいウィッグとかもあるみたいだからそれでごまかしてんでしょ。」

ハゲについて語る麗子。

「でも残念ね。ヅラが外れたらもっと笑えたのに。」

「単位がもらえなかったら植松さんのせいだ。」

「大丈夫よ。私も共犯になってあげる。」

「共犯というより主犯じゃないか。」

「そうだ。今度あの先生に育毛剤プレゼントしてよ。」

「嫌だよ。育毛剤って高いし。」

「そこ?」

麗子は笑い転げていた。