「・・・私、桜の事を気持ち悪いなんて思わないよ。」

私は未だに不安げな桜に言った。桜は私の言葉を聞いてようやく笑ってくれた。


「本当・・・?」

「うん、最初は驚いたけど。」
「ありがとうっ!やっぱり冬夏なら分かってくれるって思ってたよ~」


桜は嬉しそうにアイスココアを飲みきった。カランと氷の音がした。私はまだ半分以上残っているカフェオレを飲む気にはなれなかった。


「じゃあ彼女との事で相談あったら冬夏に言っていい?」

「・・・うん、良いよ。」

「ありがとう~!良かったぁ・・・」

「はは、そうだ。彼女の名前は?うちの高校の人でしょ?」

「あ、うん。6組のね秋名恵ちゃんっていうの!」


あきな、めぐみ・・・彼女の名前を言った桜は嬉しそうで愛しそうで・・・本当に桜はその人が大好きなんだね。


「頑張ってね、桜・・・」

「うんっ」



私は心ではまだ戸惑ったまま桜に応援の言葉を言った。


(秋名恵かぁ・・・明日、探してみよう)


私はそう決心した。