「えー、やだー。降ろしたくなーい」


りーくんは私を離そうとしない。


「ちょ、いいから!私ちゃんと歩けるからっ!」


「........ねぇんだよ」


「え?」

「離したく...ねぇんだよ、こりすのこと。離したらどっか行っちまいそうで」


悲しそうな声で言う。


りーくん....


「りーくん、私はどこにも行かないぞ?
風船じゃあるまいし」