「あゆ~♪」


大きな声でそう叫び、こっちに走ってくるのは親友の内田なる。

なるとは中学の時からの親友。


「も~!!又遅刻だよぉ?」


私は頬を膨らませて言った。
なるは中学の時から時間にはルーズだ。

だから良く私は待たされていた。
今もそう。
待ち合わせ時間から10分も遅れて来たのだ。

「ごめんっ!!」

なるは両手を合わせて謝ってきた。
いつもの光景。
私はため息をつきながらも笑顔でなるを許した。




それから二人は他愛ない話をしながら学校に行った。


学校に着くなり私の目はハート。


「おはようございます」


低い声で挨拶をしてくる、スーツ姿に黒縁メガネをかけた若い男。


「たっちゃん♪」


私は¨たっちゃん¨の元に駆け寄った。


「小西朝から元気だな」

そう微笑みながら言ってくる¨たっちゃん¨に私の体温はどんどん高くなっていく。


「たっちゃんも朝からおつかれ♪」


「あ~ゆ、早く行かないと先生来ちゃうよ!!」


私が言い終わったと同時になるがそう言ってきた。
私は、¨たっちゃん¨にバイバイをして教室に急いだ。