「名前、教えてくれたら
   離してもいいよ」


男から離れられない。


「意味分かんない」

「言わないとねぇ・・・」

ぐっと体を引き寄せられ、
顔が近づく・・・



ドカッ


「アタシにこんなことすんのは
1億万年早ぇんだよ」

「いった・・・」

アタシは、

男の腹を足で蹴ってやった。


「上村 杏」
「は?」

「名前言ったから、もう
      関わらないで」


そう言い残し、

アタシは体育館に戻った。





体育館に戻ると、
すでに新入生歓迎会は終盤だった。