そこまで振り返って、千広は修復が終わった離婚届を持ちあげた。

妻の欄には、自分の名前。

夫の欄には、当然陽平の名前。

「寂しい思いをさせたくないから…か」

陽平のような理由でも、離婚ができるのだろうか?

何だかおかしくて、千広は笑った。

2つに破れた封筒をゴミ箱に捨てると、新しい封筒を出した。

そこに修復が終わった離婚届を入れた。

明日、千広は市役所へ行って離婚届を提出しに行く。

1人で。