陽平と陽平の父親は三橋父娘を罵倒するだけ罵倒し、最終的には婚約を解消した。

全てを明かして、婚約解消した陽平の笑顔を千広は思い出した。

最初、陽平は全てが解決したから喜んで笑っているのだと思った。

だけど…その笑顔は、自分に向けられているような気がした。

そう思ったから、戸惑った。

そして言われた。

歩道橋で待っている、と。

バイトが終わって、歩道橋に向かった。

いつも通り、陽平はそこで待っていた。

自分が歩み寄った時、陽平は離婚届を渡した。

前の満月の夜、千広は陽平に離婚届を突き出した。

陽平は次の満月がくるまで考えると言って、千広から離婚届を奪った。

今日の満月の日、それがサインつきで返された。