呟くように言った千広に、陽平が驚いた顔をした。

千広はグラスの中の氷から彼に視線を向けた。

「あたしと夫婦になったのは、美樹さんへの復讐だったんですか?」

「…ハートから、聞いたのか?」

その問いに、千広は首を縦に振った。

「昨日あたしが彼女の店を訪ねて、彼女から聞いたんです」

そう言った千広に、陽平は笑うしか他がなかった。

いずれ、バレるだろうとは思っていた。

けど、こんなにも早くバレることは予想していなかった。

「復讐…と言えば、それが正しいかもな。

俺のやっていることと俺がやったこと、“復讐”が似合ってるかもな」

自嘲気味に陽平は言った。