ただの偶然と思っていた。

肩がぶつかったり、つまずいたり。

でもだんだんひどくなっていった。

靴がなくて、帰れなかった。

爽ちゃんに電話して学校まで来てもらったことだって何回もあった。

郁巳と付き合っているのは私なのに、なんでこんなにいじめられるのか。

そもそも、私は郁巳の事を好きな訳じゃないのに。

「別れろ。あんたなんかより郁巳君が好きなコはたくさんいる」

こんな手紙が下駄箱に入っていた。

・・・別れようかな。

私は、どうでもよかった。