なーんて、あるわけないよね、このおじさん。


家族を愛しちゃってるもんねぇ。


じゃあ…どうして!?


ふにゃーんと首をかしげるあたしの前。


大きく息を吸ったパパが言葉を慎重に吐き出した。


「息子さんが我が家を気に入れば――…」


――気に入れば?


「パパ、昇進するかもしれん」


――なに―っ!?