「はいっ席に着いて〜」
私等の担任が言う。
先生の自己紹介が始まった。
趣味はなんだとか。
教えてる学科はこうだとか。
まあ色々。
年と体重だけは言わなかったけど。
そして新入生用のプリントを配り始めた。
「なあ。」
隣から男の子っぽい声がした。
私は隣をむく。
「俺、津久野仁っつーんだ。
よろしく」
ニカッと爽やかな笑顔。
「私は立石望っていうの。
よろしくね」
私も津久野に負けないくらいの笑顔を作って見せた。
「うん。知ってる」
微笑む津久野。
「知ってる?」
私がそういうといきなりあせりだした。
顔なんか赤いし。
「いや・・・その、
新入生の紹介で目立ってたから。」
目立ってた?
あのまつざきりゅうせいの方が目立ってたと思うけど。
と、私はまつざきりゅうせいを思い出した。
「声・・・でかかったし」
そういわれた瞬間私も顔が熱くなってきた。
声・・・でかかった?
「すっごい・・・
恥ずかしい・・・」
津久野は笑った。