ここからはもう皆の目が真剣になる。




同じチームのバトンを見たり、そしてそこから自分たちの足りないところに目をひからせるのだ。




「多分、今のは桃ちゃんがでるの遅かったんじゃないかな?」



亜美那先輩と桃のバトンワークを見て句実先輩がいう。



「でも、桃ちゃんって緊張するとはやくでる癖あるから、練習のときにちょっと詰まるくらいはいいんじゃない?」


っと、亜美那先輩。




「あ、そっか!」



句実先輩はひらめいたように言う。



私と句実先輩は3回中3回とも好調で、ほぼぴったりのタイミングだった。