季節は夏。
いや、9月だからもう秋なのかも知れない。まぁ、どっちでもいいんだけどね。
この夏だか秋だかわからない季節に出逢ったんだ。君と。

「あーつーぃぃぃ‼‼」

あたしの名前は、松本 華恋。
近くの中学校に通う1年生!髪型はロングで校則に従い常に二つ結び。顔?うーん…かわいいとは言えないな。クラスは2組。
部活は陸上部。中長距離専門でがんばってるの!

ただいま、体育祭の練習中!
陸上部ゆえに大活躍!…の予定。


「華恋うるさ~い!」
この子は伊藤 沙英。同じく1年生で同じクラスでめちゃ仲いい親友。目が大きくて顔立ちがはっきりしている。人懐っこく惚れやすいため、常に恋してる。部活はソフト部。

「だってさぁ~。」
「夏だししょうがないでしょ!あ、てゆーかめちゃかっこいい人見つけちゃった‼」
「またぁ~?次はどんな人?」
「タメだよぉ~!あのね、4組の体育委員の人!」
「4組?んじゃ、緑のはちまきか!目悪いから見えない~…」
沙英と“秋川優史”ってゆう人をずーっと探してた。

『200m走にでる人は集合してくださーい‼』

「うわっ、あたしじゃん!沙英~、ちょっと行ってくんね」
「お~ぅ!頑張ってね~。」
「んま、練習だけどね。しかも整列ー(笑)」

『200m走に出る、松本華恋さーん‼』
うわっ、名前呼ばれちゃったよ。みんなの視線が痛いなぁ~。
「はーい‼はーい‼」
でも、そんなこと気にせずあたしは大声だして、200m走のみんなが整列してるところに走った。
「んじゃ、ここに並んでな~。」
「ハァハァ。わかりました~!」
…ん?この人緑のはちまき。しかも、種目に出る人を整列させるのは体育委員の仕事。いやいや、この人が秋川さんという確信がない。そーだッ、ゼッケンの名前見てみよ~。……“秋川”…だね。はい、決定ー!顔は…目が大きくてまつ毛が長くて、顔立ちがはっきりしてる。まぁ、モテそうな顔だよね。

「…い!おーい⁈」
「うひゃあッ⁈な…なに?」

またやっちゃった。あたしの悪い癖…考えごととかあることに集中してたら、ま周りが見えなくなっちゃうの。