「桐島太兎(きりしまたいと)。
自称ハッカー。
事実ハッカー。
うちのライバル。
陸上部。
どう?
苺、狙ってみない?」
菓音が、苺へ聞く。
真穂は今頃、
なっつんのトコロに
いるのだろう。
菓音は、
自称クラッカーで、
事実クラッカーだ。
本来、
太兎と菓音は、
刑務所にいるべき
現状なのだが、なぜか。
平穏な日常を
過ごしている。
「ハッカーは、
相手へ迷惑をかける。
クラッカーは、
その知恵があるのにも、
関わらず。
ただ必要な部分をのぞくだけ。
うちはハッカーになるつもり、
ないんだ。」
苺は、うーん。
とうなって、
首をかしげている。
確かに太兎はイイコ。
美白で背も高いし、
ケンカも強い。
まあまあな顔立ちだし、
悪かない。
たったひとつ、
イイコ過ぎてバカな
トコロをのぞけば。