遠い記憶を呼び戻しながら外を見てた。

夏休みのせいか私達と同い年位の人がたくさん歩いてる。
みんな…楽しそう。


仲良しの友達と遊んでたり、恋人と歩いてたり。




あの人は……、待ち合わせでもしてるのかな…?
幸せそうな顔してるもん…きっと、そうだよね。



私達はどう見えてるのかな。
前を向いたら奏くんも外を見てた。

私の視線に気づいてか、ゆっくり顔を戻す。




「どうした?」

「…うん……外…いっぱい歩いてるなー…って……」

「あぁ、なっ。…今オレも思った。よく考えたら夏休みやって事忘れてた」

「私も……」

「フフッ…、華凛ちゃんは全然慣れへんねー。そんなにオレとじゃ緊張する?」

「…するよ……めっちゃするに決まってるやん!…男の子と2人なんて……私にとったら大変な事やねんって」

「そっか…じゃあ彼氏が出来たら大変やなー…」











何だ…?

また胸がチクってした。



なんか奏くんが話す言葉が耳に残る…。

チクチク……ズキズキ……。



私……変…?




「彼氏なんて……まだ先の話やなー。私には…ほんままだまだ…。奏くんこそ彼女作らへんやん……」

「…うん……まぁ…」




奏くんにしては曖昧な返事だと思った。

はぐらかすならもっと上手くやってるはず…。
いつもはごまかしてて私の事ばっかりからかうのに。