また…、私の動きを見てクスクス笑ってるし。

こんな風になったのも奏くんがしたくせに。


なんかその笑顔ってズルいよね…。私多分さ、どんなに怒ってても…どんなに悲しい事があっても。

奏くんの笑顔見たらつられちゃう気がするな……。


それ位パワーのある笑顔。
人を癒せる笑顔だよね。





微妙な距離感を保ちながら奏くんの隣を歩いた。

いつもは友達同士でワイワイしてるから…、緊張とドキドキで呼吸がおかしくなる。


男友達なんて今までいなかったから2人で遊ぶ時はどうすればいいのかな…?

小春ちゃんに聞いておけばよかった。




「そや…。メールでも聞いたけど夕飯の準備とか大丈夫やった?…いつもやってんねんな?」


奏くんは…、うちの事情を知ってるもんね。
だから夕飯の支度時間の事ずっと気にしてた。


「大丈夫!今日は昼に用意して冷蔵庫に入れてきたから。後はレンジで温めてもらうだけやし…。さすがにお父さんでもそれ位は出来るわ」

「なるほど…。じゃあ時間気にせんでええね!」




優しく瞳を細める笑い方。

奏くんにしか出来ないでしょ…?


いつも仲間の中心にいて、みんなを包んでくれる。

私の事も気遣ってくれるよね。……本当に…嬉しいんだよ。