「クククッ……めっちゃ可愛いなぁ…このボブの子」




ボブ……。完全に私の事笑ってる…。

ちょっと遊んでそうなお兄さん達の前を通り過ぎた時、クククッて笑う声が聞こえた。


もう本当に恥ずかしくて…顔から火が出そう。

下を向いたまま足早に進んだら急に肩を掴まれて、

「お友達先行っちゃったんやーん。俺らと遊ぼうや」

「そうそう…君幼い顔してるけど……なぁ?…クククッ…」

「…ほんま………童顔にその体は……エロいわ…」





掴まれた部分から鳥肌が立った。
ぞわって感覚がして、怖くて体が動かない。


いつもの私だったら言い返せちゃうのに…。

新ちゃんとか奏くんとふざけてる時は肩触られる位何ともなかったのに…。




怖い……。













怖いよ……。












―ボスン―




頭に衝撃がしたと思ったら見覚えあるピンクの浮輪。



「…チッ……」


怖い顔した新ちゃんが隣にいて私の腕を掴んでる。

目線だけは後ろに向けて今にも殴り掛かっちゃいそう。


「…しっ…新ちゃん…」

「…お前なぁ………だから危ないって言ったやん!アホっ!!
…こいつ俺らの連れやから……悪いけど他当たってや」



ずんずん引っ張られて流れるプールから出た。

まだ肩にさっきの人の手が触れてるみたいで…、今さら震えが出てくる。


怖くて怖くて…。奏くんから借りたままのラピスラズリを握りしめた。