「…諒一くん……新ちゃん何で怒ってるの?」

「……さぁ…わからん………」



新ちゃんが歩いて行った方向には休憩を終えた人が戻ってきた。

人の目を引く新ちゃんだから……、自然と女の人が集まってきてる。


明らかに年上の女の人って感じ。
学校でも先輩に可愛がられてる位だしね…。

私からしたらただの意地悪にしか感じない事も、ああいう人には嬉しいんだろうな……。



恋って…よくわからない。



胸が潰れそうになる位痛くなる事があるの…?

名前を呼ぶだけで苦しくなる事がある…?








「わからんねんもん……」

「ん…?」

「私には…、わからん事ばっかりやねん……」

「華凛ー、おいでーー!」




小春ちゃんに手招きれてプールサイドに歩いて行った。

新ちゃんの隣を通ったら、ピシャって水をかけられて…、


「素通りするなんてええ度胸してるやん」

って意地悪そうな顔で笑ってる。



良かった…。








いつもの新ちゃんだ……。






ホッとして…、あっかんべーしながら水をかきわけて逃げた。

小春ちゃんの所まであとちょっと……。













「華凛ー!捕まえたで!!」