「やっと見えた」 「るいくん。」 「ん?」 覗きこむように私を見つめるるいくん。 「私なんかが彼女なんて…」 「ひなじゃなきゃ駄目。」 「ひなしか見てねーから。俺は。」 「だからそんな事思うな。ひなが俺を好きになるまでずっと待ってるよ?」 −−好きになるまで。 一体どんな気持ちなんだろう。好きになるって、 女子中学校へ通っていた私には、縁のない事だった。