なぜだかほっぺたの心配をする女に笑いそうになるのを抑えて、俺はフイっとそっぽを向いた。

「あのね、これ…私のお守りなんだけどね」

そう言ってピンク色の鈴を掲げると、俺を見て最上級に可愛い笑顔を向けた。

かなり…やばい。

一目惚れだった。

見入っていた。


「これ、あげる」


そう嬉しそうに俺の手に鈴を押し込むと、花柄の傘を目の前に置き去りにして
「風邪ひいちゃ駄目だよっ」と言って走っていった。