「呼吸、弱いな…」



叔父さんが呼吸を確かめ、ため息を吐いたと思えば、いきなり携帯を取り出した。



「――あ、俺だ。芽依実が怪我をして呼吸がかなり弱い。どうしたら良い」



電話の相手は、叔母さんだとわかった。

母親が消防署で働いてた時、救急隊員だった。

後(のち)に、救命救急士の資格も取ってる。



「気道確保だけ?他には?ないのか…」



叔父さんは芽依実から目を逸らした。

けど、叔母さんに何かを言われたのか、難波に携帯を渡した。



「俺の妻だ。話したい事があるらしい」



難波は戸惑いつつ、電話に出た。