「早く誘っちゃえよ〜!『帰りにカレン公園で待ってます』ってさ!」

2つの高校はとても近くにあるため、最寄り駅も同じである。

そして道もほぼ一本道で、男子は最後の分かれ道を右に、女子は左に行くのである。

その最後の分かれ道にあるのがカレン公園で、山撫に彼女がいる人々の待ち合わせ場所なのである。

ちなみに、カレン公園とは正式名称ではないらしいのだが…誰も本当の名前は知らない。

その名前を知ったものには災いが降り注ぐという噂が広まるくらい誰も知らないのである。

「誘えるもんならね…誘いたいよ…」

僕は大きくため息をつきながら、窓に小さくうつる山撫の校舎を見た。

本当に…どうしたものかね…