「キスシーンがあるの?」

勇気を振り絞って聞いてみる。



「ヤ、まだ詳しくは…決まってない。

今のドラマの後の仕事でもしかしたら…って」

あたしは心平の言葉にうつむく。



「やめちゃおうかな?


どうせ、まだちゃんと決まってないし」

心平は伸びをして言う。



「やっぱ、俺には向いてねぇーし」



「そんなの…わかんないじゃん」



「だいたい、星良なんか俺がドラマに出てたって、気づかない存在だし」



「あ…あれは」

吸い込まれそうな心平の目力に負けそう。



確かに、心平に気づかなかった…。