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足から崩れていく実亜さんを見て、危ない!と思った瞬間、ロベルトが支えた。


「俺が思ってたより、この女は強かったらしい。俺が魔力を充満させて気を失わせようとしたのに、コイツは自分の言いたい事を言うまで、倒れなかった」


ロベルトは何時になく真剣な瞳で、実亜さんを見つめながら言う。


「私もこれほどまでとは驚いたわ。でも、実亜さんかなり疲れてるだろうから、奥のベッドが置いてある小さな部屋に寝かせましょ」

「ああ、そうだな」


ロベルトはそう答えると、奥に行き、ベッドの置いてある小さな部屋へ連れて行った。


私は、紅茶を入れて、何時もの暗い仕事部屋へと行き、紅茶を2つ用意してロベルトを待った。


「紅茶、用意してくれていたのか」

「ええ、ロベルトには説教をしないといけないからね」

「悪い。つい、悪い癖が出た」


ロベルトは反省しているのか、少し俯き気味に言う。


「本当に困った人ね。言ったでしょう?客と主の間に感情は要らない。その理由はこういう事でもあるのよ。私達が干渉していい問題じゃないんだから」

「ああ、分かってる。アイツが倒れた瞬間、我に返った」

「遅い。もっと、早くに気付いてよね」


私は紅茶を一口飲み、はぁーと溜息を吐いた。


「ま、今回の事は大丈夫だと思うわ。実亜さんにとって自分の気持ちを確かめるのに丁度良い機会だと思うから。やり過ぎだけどね」


その後は、実亜さんの事には触れず、他愛も無い話をしながら紅茶を飲んだ。