私は今にも力が抜けそうな足に力を加えて踏ん張る。


「憎くはないですよ。今でも許せないけど。でも、みんなに私みたいな目にあって欲しくないんです」


片目を瞑りながら、一生懸命話す。


ロベルトさんは一瞬目を見開いて、それから口を開く。


「どうしてそんな事が言える。他の奴も同じ目に合えばいいと思わないのか?」

「だって、私が1番知ってますから。いじめられる辛さ。痛いし怖いし、いい事なんて1つも無いじゃないですか?」

「だからこそ、仕返しに丁度いいんじゃないか?」


何度も問われる事に恐怖心させ抱いてしまう。


ロベルトさんは何を考えているの?


怖いよ.......


でも、しっかり答えなくちゃ。


此処で答えなかったら後で後悔する気がする。


「仕返しなんてしたって、また、仕返ししようとする人が増えるだけです!そんなループ作ったらいけない。何時まで経ってもいじめなんてなくならない!」


私は勢いで言いきって、深呼吸する。


何度かして、落ち着いてからまた口を開いた。


「私だってされた事に対して許せるほど出来てないです。でも、憎んだって何も変わらないじゃないですか。そんなことしてる暇があったら私は前に進みます」



自分の言いたい事を言いきったと思うと、足に力が入らなくて、ガクッと足が崩れる。


足の力が抜けた途端、頭の思考回路もストップして、そのまま倒れた。